インプラントにもお手入れは必要です。

コラム

2021年12月16日

インプラント治療について、インプラントは治療後メンテナンスフリーなんですか？というご質問を受ける事があります。

インプラントは失った箇所を回復させる最良な方法ですが、天然の歯の歯周病のようになる事があります。

これを「インプラント周囲炎」といいます。

インプラント周囲炎は歯周病と同じ細菌感染症の一種で歯面に付着した歯垢(プラーク)が原因で起こります。インプラントの周囲にプラークが溜まるとその中で歯周病菌が増殖。その毒素によって炎症反応を起こし、出血や膿が出たり、インプラントを支える骨を溶かしてしまいます。最悪インプラントを撤去しなくてはならないこともある怖い病気です。

写真をご覧ください。

55歳女性。右下奥歯から膿が出るとのことを主訴として当院に来院されました。インプラント周辺の支える骨が吸収しているのが分かります。

こちらは同じ方の術後６ヶ月後のエックス線画像です。

吸収していた部分が新たな骨に置き換わり膿もなくなり現在も安定した状態です。

インプラント周囲炎はいくつか原因がありますが、予防するためには先ずは徹底した口腔ケアが大切です。

歯茎に毛先がしっかり当たるよう丁寧に磨きます。また、喫煙はインプラントのリスクファクターといわれています。全身の健康にも関係しますから禁煙に努めましょう。また、定期的なメンテナンスも必要です。インプラント周囲炎は、早期発見早期処置によって重症化を防ぐ事が出来ます。ご自身でのケアをしっかり行ってまいりましょう。